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2018年 第110回恵迪寮祭 開催報告

[事務局からのお知らせ]

第110回恵迪寮祭の部屋デコが11月3日・4日の両日行われました。その様子を報告します。なお4日目の特別講演については、現寮生の岡本愛香さんに寄稿していただきました。

1.11月3日(土)の部~部屋デコ取材リポート

100年以上に渡って寮生による自治と伝統が根を張る北大恵迪寮、男女480名が集う寮内部の一般公開日にあたり、綺麗に紅葉で彩られた新々寮を訪ねてきました。
恵迪寮同窓会は寮祭に対して広告料という名目の金銭支援を行なっており、その広告が掲載された寮祭パンフレットを片手に持ちながら、各部屋の出し物を探索して取材しました。

第110回恵迪寮祭パンフレット

 

恵迪寮の入口

 

紅葉の恵迪寮

 

①11月3日(土)11時前、恵迪座の第110回公演が始まる時間でした。ご存知のように、恵迪座は毎年寮祭の時期に寮生が結成する劇団、脚本から演出まですべて寮生だけで行われる演劇、今回は座長の天野百花さん作/演出による「海の夜」でした。総勢20名のキャストはそれぞれに大熱演、場面転換が20回もあるけれど、回り舞台や垂れ幕は全部手作りなのでスタッフが人力で動かしますが、照明・音響とも息がピッタリ合っており、1時間の舞台終演時には大きな拍手が送られていました。毎年の寮祭いち押しと思われる舞台、その空間に浸ることができました。

恵迪座「海の夜」

 

②12時でコーヒータイム、C棟4階の部屋デコ「IQ 110 Cafe」を訪ねました。大部屋の小奇麗な畳に座って、コーヒーと自家製クッキーをいただきながら、女子寮生が考案したクイズに挑戦したところ実に難問、しかし正解を競い合うわけでもなく、ゆっくりした時間を過ごしました。立ち上がって部屋の窓から眺めると、真っ赤に紅葉したツタが見事なまでに外壁を覆い尽くしており、思わず1枚撮りました。

喫茶「IQ100CAFE」の看板

 

C棟から見たツタの紅葉

 

・13時からは「ミルクス本物」アイドルステージの開幕、寮祭には毎年来ているそうです。会場となった共用棟では歓声が響き渡り、圧巻のライブが続いていました。

ミルクス本物(画像はオフィシャルサイトから)

 

・空腹を満たしたく、A棟1階の牛丼「肉棒屋」に足を運びました。一杯200円の早食いにチャレンジしましたが、やはりタイムは最下位でした。牛丼は男子寮生の合作ですが、味は文句なく牛丼屋そのもので非常に上手い。ついつい現寮生と今と昔の話で盛り上がりました。

牛丼「肉棒屋」の看板

 

おいしい牛丼でした

 

・14時からB棟4階の「喫茶 B4 inside」を訪ねました。仕切壁のない居部屋に陣取り、暖かい紅茶をすすりながら、巨大なハムカツサンドを半分だけ頂きました。ハムにちなんでハムスターもも肉?!の新作から揚げを試食したところ、意外にも美味でした。

「喫茶B4inside」の入口

 

巨大なハムカツサンド

 

・そろそろ退館しようと15時前、寮玄関受付に戻りました。寮祭アンケートに記入して現寮生と雑談、記念にと勧められた1千円の寮祭ポロシャツ、おもしろくて購入しました。

寮祭グッズを購入

 

寮祭の部屋デコ探索と取材は短時間でしたが、初めて知る驚きあり、安堵する懐かしさあり、心身ともに若返るようなひとときでした。
今後も恵迪寮祭が継続発展するよう願ってやみません。

(文責;一般社団法人恵迪寮同窓会・現寮委員会委員 森川満彦、写真;一般社団法人恵迪寮同窓会・現寮委員会委員長 岩﨑正 )

 

2.11月4日(日)の部~北大大学院文学研究科 千葉惠教授による特別講演会

先日行われました、第110回恵迪寮寮祭の一般公開「部屋デコレーション」の2日目にて特別講演会が開催されました。
今回は北海道大学大学院文学研究科の千葉惠先生により「恥の文法―なぜアダムは無花果(イチジク)の葉で隠したのか―」という題目でお話いただきました。

先生のご専門はアリストテレス哲学と聖書研究にあり、今回はアリストテレス哲学を背景に聖書の最初の書簡である創世記の楽園追放について、特にアダムの恥と怖れの感情について取り上げていただきました。禁断の果実を口にしたことで目が開かれ、肉(肉体)と霊(魂)との間に亀裂が走り、肉的な性の問題を肉的な思いで「恥」を感じる。そして恥を感じることに怖れを抱く。しかし、世界の創造主である神はそのアダムのことを思い毛皮の衣を作ったという救い、希望。

先生のお話は普段「肉」と「霊」について考える機会が少なく、また聖書をあまり読んだことのない方々に少々理解が難解なところもあったかもしれません。しかし、普段は触れることのない新しい世界に触れてみるというこの機会は、きっと札幌市の方が普段関わることのあまりない恵迪寮について知るというこの恵迪寮祭の機会を同じくとても大きな価値のある良い経験であったと思います。

千葉惠(ちば・けい)先生

 

千葉先生の板書

 

熱心に聞き入る参加者

 

(文責;第110回恵迪寮寮祭実行委員会広報担当責任者 岡本愛香、写真;一般社団法人恵迪寮同窓会広報委員長 八重樫幸一)

以上