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2019年 第111回恵迪寮祭を見てきました

[サロン]

第111回目となる「恵迪寮祭」が10月11日から11月8日まで開かれた。同窓会は寮祭パンフに広告を掲載し金銭支援を行っている。一般公開日は11月2日(土)から3日間であった。

 

 

初日は同窓会員11名がOBとして参集した。「玄デコ」が出迎える。いざ、出陣!

 

まず、恵迪座 11:00~12:30 を観劇した。現寮生のみによるオリジナル演劇である。
スタッフ総勢40名による大熱演であった。作/演出は長峰卓君。現寮生の若々しいエネルギー、手作り感に溢れた舞台であった。「素晴らしかった。若い力で良くやってる」は内藤先生の感想。
翌日、道新3日朝刊に掲載された影響もあってか、恵迪寮は老若男女を問わず多くの市民で溢れかえった。恵迪座の席も満員に達した。
道新2日夕刊の一面トップ記事は「開かれた寮に変わらなければ伝統を守れなくなる」と現寮の危機感を伝えた。自己満足では持たないのだろう。

【恒例の部屋デコ探索巡りを開始した。】

❶「まんが喫茶」C棟5F
コーヒーもジュースも一杯50円。居心地が良くて1時間も滞在、話が弾んだ。廊下の黒板に残った落書き「自治の砦」は今も消されないまま。円山観桜会では徹夜の場所取り組、毎年ご苦労様。
今どきのバイトは? 〇〇君の場合、授業料のみ親が負担、仕送りはゼロなので毎晩のバイトだけが頼りだ。
執行委(18名体制)やっていた時はバイトできなく困窮した。使用中のノートパソコンもガムテープで支えている。
今どきの寮費は? 自治会費1,100円、舎費4,300円、ネット使用料1,030円、ごみ袋代30~50円、光熱費4,000~7,000円(4月以降2倍に?)とのこと。

 

 

 

❷「BAR」A棟1F
腹が減ったので、皆で食べに入った。2Fの部屋デコが「釣り堀」を準備していたようだ。プールが失敗したのか、天井から雨が降ってきた。
しかし、誰も気にしていない。缶ビールも頂きながら食す。既成のカレールーではなく、スパイスから調合した懐かしい味だった。

 

 

 

 

❸「オカマ」B棟1F 執行委員会部屋
初日は自家製「サウナ室」だったはず。翌日は「オカマバー」に変わっていた。皆が女装し、化粧している。元応援団長の女声も完璧だ。
ここは大勢の市民で満員御礼だった。喝采や悲鳴で大賑わい。女子寮生も参戦していた。

 

 

❹「うどん&パフォーマンス」B棟2F
ワンちゃんが太鼓を叩き、かしこく芸を披露してくれて、ご褒美に削り節をあげた。1杯100円の「手稲山うどん」を注文する。
ところが、衣装ロッカーに隠れていたワンちゃんも出てきて「かけうどん」が良いと吠える。結局、オール「かけうどん」なのだろう。
出汁は昆布と鰹節のみ、麺は手打ち。現寮トップシェフの手作りだそうで、実にうまい。たかが「かけうどん」、されど価値あり「自治の味」がした。

 

 

 

❺「占い」B棟3F
占い師に仮装した女子寮生たち。テーブルの紙を一枚引いて、ローソクであぶると文字が浮き出てきた。結果は、今日から「新たな夢に飛びたたん」ラッキーカラーは「うす紅」。
筆者が卒業時の田坂君の歌、昭和53年第70回記念祭寮歌「草は萌え出で」三番のの一節だ。占いは全て寮歌の一節から書き留めたもの。
この部屋は寮歌普及委員会である。今は委員長が女子寮生。先の旧寮舎(開拓の村)ペンキ塗りにも駆け付けてくれた。ありがとう。

 

 

 

❻最後に、隣の厨房に潜入した。

炊務部の仕込み現場を覗いた。200人分の食材を買い出し、朝早くから作業中とのこと。シェフ6名が交代で毎日曜日19時のスペシャル準備だ。
鶏肉は32キロ、メニュー名は不明、今日は1食100円で出すと言う。寮生は皆「スペシャルできました・・・」の寮内放送が待ち遠しい。

 

 

寮自治は食と共にあるのか。今どきのエッセン事情「平日の晩飯は部屋員の当番制。ルールは、予算一人300円まで、原則3品を作り、レトルトやインスタントはNG」。
カレーやシチューのルーもNGでスパイスから、乾麺の使用もNGで小麦粉から。少し厳しすぎるか、手抜きを許さぬエッセンの掟。
昭和58年、北大七寮を統合した新々寮は食堂が廃止された。しかし、令和元年の今もなお、恵迪寮として名を残し、伝統・文化ともに何故か健在であった。