藤田正一氏「クラーク論」講演会感想
[サロン]
北大応援団OB(延齢)会の千川氏(40年)から標題の案内を頂き、応援団圏外の私も聴講して来た。
講演者は藤田正一氏(38年)。演題は「クラーク博士の教育哲学とその日本の教育への影響」で10月中旬にマサチューセッツ大学150周年記念講演会で基調講演されたものを論文化する前に日本語で講演された。土曜で祝日なのに出席者は約80名、半分は現寮生を含めた学生、あとは我々恵迪同窓会と一般市民と見えた。
要旨は札幌農学校から発して明治期に国際的にも大きな影響を残した先人たちに与えたクラーク博士の僅か8ヶ月の実学重視と自律的紳士教育の成果について熱く語られた。その骨子は先月NHK・BSで藤田氏から紹介されていた。
特にクラークの教育方針を間接的に受けた2期生についても詳しく紹介された。新渡戸稲造、内村鑑三、宮部金吾、広井勇等のことに触れられた。中でも他ではあまり話題にならない港湾と橋梁工学の権威である国際的な土木技術者 広井勇(いさみ)の葬儀に読まれた彼の清い高貴性を称える内村鑑三の弔辞を詳しく取り上げられ、時空を超えた後輩の私は大いに感動した。帰り道、中央ローンには58年前の入寮時と同じエルムの大木の落葉が舞っていた。