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戦後の日米関係を振り返る~トランプ氏の勝利に寄せて

[サロン]

(1)結論から先に言います。

次の本を読むと今後の日米関係の理解に役立ちます。(私も恵迪寮の先輩であるA氏から薦められて読みました)

■書籍名 日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか

■著者  矢部宏治

■発行所 株式会社 集英社インターナショナル

■発売所 株式会社 集英社

■定価  本体1200円+税

 

(2)読んでみる価値がある理由等について

11月8日に行われたアメリカ大統領選挙は、大方の予想に反して共和党のドナルド・トランプが勝利をおさめた。

これは、トランプ氏が有能な大統領として職務を遂行してくれるであろうと期待されて選出されたわけではなく、アメリカの多国籍企業の海外での事業展開により企業は潤っても、国民の貧困度合いが高まり、それへの反逆としてトランプ氏に賭けてみたということではないだろうか。

だとすれば、トランプ氏の国内外に関わる政策は、従来と異なったものになっていくであろう。

既成の秩序の維持を期待していた人々は、民主党のヒラリー・クリントンが敗北したことに大きなショックを受けていることだろう。

さて、日本、アジア、そして世界に対するアメリカの政治・軍事・経済政策は大きく変化してくることが考えられる。 そうなったとき、多くの日本人は思考が混乱する可能性がある。「エッー!」、「まさか」、「何で」に陥らないようにするには、第二次大戦から今日に至るまでの日米関係を勉強しておく必要があろう。

国内でいくら結論ありきの神学論争を繰り返しても、戦後の日米関係を理解することにはならない。やはり、事実と論理性を組み合わせることによってのみ正当な日米関係の理解ができよう。

しかし日本の外務省は一貫して日米間の交渉の過程とその結果を隠蔽し続けてきた。大衆には情報を公開せず、被支配の対象としてひたすら政府に従わせておくのがよいという日本古来からの政治手法を取り続けてきたのである。

正確な情報を与えられない国民は、あれやこれやと推測して考えたり、語ったりしなければならなかった。そこでは「結論ありきの神学論争」が展開され、声の大きいもの、あるいは権力者寄りの発言をする者が珍重されるという政治風土が確立されてきた。

だが、アメリカは絶対機密以外の公文書については、順次公開し始めている。日本の政府・外務省がいくら隠蔽しても、アメリカの方から様々な情報を入手できる時代になってきた。

アメリカの公文書をベースにした書籍も出版されるようにもなり、本書もその一つである。 一読することをお勧めする次第である。

最後に本書を推薦した書評を紹介します。

『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』の書評

以上