道北・旭川恵迪会 会報vol.7 「旭川開識社 開催しました。」
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4,5月の低温傾向から一転して、6月は真夏を思わせる高温の日々が続き、7月になってもその勢いは衰えることなく、一気に盛夏に突入しようという勢いです。
さて、2回目となる今年の旭川開識社は、二川義昭君(昭和26年入寮)が「有島武郎と恵迪寮」と題して、北大とゆかりの深い有島武郎をテーマに研究発表を行いました。
皇太子(後の大正天皇)の御学友を務めたほどの端正な優等生であった学童時代、キリスト教の博愛主義に目覚めた札幌農学校の日々、アメリカ留学からの帰路、無政府主義者クロポトキンとも交流した2年間のヨーロッパ旅行、父親との葛藤とその結果の農地解放、そして軽井沢での劇的な心中事件などなど、裕福な上流階級に属する誠実な知識人でありながら、周囲を驚愕させる意外性に満ちた突然の行動に、有島の人生に対する真摯な姿勢と共に、彼を取り巻く個性豊かな人々に翻弄される一途な気性の弱さをも感じました。
また、札幌農学校校歌「永遠の幸」がはたして本当に有島の作だったのかというミステリアスな問題提起がありました。思えば博愛主義者の有島とはとても思えない軍歌調の勇ましい言葉の羅列には多くの人が違和感を持っていたようです。明らかに校閲者の大和田建樹の意向が強く反映した内容になっています。大和田は鉄道唱歌や軍歌を多数作った当時は有名な国文学者でした。有島らしいといえば校歌の最後の部分「友たれ永く友たれ」くらいです。有島の当時の日記には校歌についての記述は何もなく、疑問がいっそう膨らみます。
来年の「道北・旭川恵迪会」予定
来年の寮歌祭は7月2日(土曜日)を予定しております。今すぐ、予定表に記入を!
1.開識社 5:00~5:45
2.寮歌祭 6:00~8:00
(時間配分については若干の変更もあります)