有珠山の主治医・岡田弘理学博士 満員の聴衆の前に大熱弁
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20万人を救った近代噴火予知科学の軌跡」第11回開識社講演会
「第11回開識社講演会」が平成22年11月24日、国際的な地震学者で知られる岡田弘北大名誉教授を講師に招いて札幌市時計台ホールで開かれました。
今回の演題は、「20万人を救った近代噴火予知科学の軌跡~有珠山噴火10周年に考える~」です。
講演は、火山噴火の驚異を思い浮かべてもらおうと、有珠山噴火の映像に、すさまじい爆裂音が響くという衝撃的な場面から始まりました。この後、火砕流や大噴火で多くの犠牲者を出したネバド・デル・ルイス火山や、島原・雲仙普賢岳、ピナツボ火山など近年における火山噴火被害の歴史から、十勝岳噴火でのハザードマップの役割、一人の死傷者も出さなかった10年前の有珠山噴火まで、噴火予知科学の軌跡について熱弁を振るわれました。
特に本題の有珠山噴火では、岡田先生ら研究者や政府、地元行政機関、住民たちが不休不眠で行動した貴重な映像や音声テープなども駆使。臨場感あふれる講演に詰めかけた聴衆も熱心に聞き入り、質疑応答を含め、所定時間を15分以上もオーバーするほどでした。
あいにくの天候で、市民をはじめ、北大生、同窓会員ら聴講者がどのくらい来てくれるか不安でしたが、開演の午後6時にはほほ満席、その後も来場者が絶えず、慌てて非常用の長いすを用意するなど近年にない大盛況の講演会となりました。
講演終了後の懇親会で、岡田先生は「講演前に会場に流れていた寮歌を聞き、懐かしさがこみ上げました。今も恵迪時代が精神的な支えになっており、格別な思いで講演することができました」と語っていました。
講演の要旨は平成23年度発行の会誌「恵迪」11号に掲載予定です。
北海道支部広報部会幹事 大隈 昭二(S40)