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日付アーカイブ: 2014年8月13日

「おしょろ丸展」を見てきました

[サロン]

「おしょろ丸展」を見てきました8月5日(火)、北大総合博物館で展示されている「学船 洋上のキャンパスおしょろ丸」展を見てきました。

見に行きたいと思ったのは、次の理由によるものです。

(1)寮友が乗った船であること

かつて恵迪寮で一緒に暮らした寮友達の中に水産学部の人もたくさんおり、彼らは札幌キャンパスで1年半を過ごした後、函館キャンパスに移行していきました。
そのうちの少なくとも漁業学科に所属していた寮友は間違いなくおしょろ丸Ⅲ世で教育を受けていたことでしょう。

(2)「水産放浪歌」が海と船にロマンを感じさせてくれたこと

寮歌(北大学生歌拾遺)「水産放浪歌」の放吟を通して大海原と練習船に思いを馳せるようになっていました。
「水産放浪歌」を歌っていると、何やら水産学部練習船(当時はおしょろ丸Ⅲ世と北星丸Ⅱ世)に乗って南氷洋や北洋の海に出かけていくような錯覚に陥ったものです。男のロマンを感じさせてくれました。
またこの歌は、大学を卒業して実社会という大海原に出て行く際の応援歌でもありました。
この歌はいつ作られたかは分からないが、初代忍路丸は恵迪寮命名(明治40年)の2年後の明治42年2月に竣工しています。今年で就航105年になります。

(3)漁業学科は、やはり漁労の教育指導が中心だったと思われるが、この分野の教育研究には嘘、偽りがないように思えること。

実は、これこそが北大が掲げる基本理念の「第4 実学の重視」そのものを体現していると思われます。
教育には、そもそも何を教えるかという根本命題がある。大きく分けると、人間社会が将来にわたって健全な形で継続発展して上で必要不可欠な座標軸ともいうべき「理念」を学ぶこととと、効率よく経済上の果実を手に入れるための手法である「how-to(ハウツー)」を学ぶことの二つだと思います。
漁労の場合、常に命の危険にさらされているので、悠長なことは言っておられません。屁理屈や嘘も言っておられません。右往左往は許されません。そこで事前にしっかりした座標軸を叩きこんでおくことが求められます。よってこのような分野の学問には、嘘も虚学も入り込む余地がないのです。

■最後に
こう考えると、北大は水産学部と附属練習船(おしょろ丸、うしお丸)という大変いい財産を持ち合わせているといえます。
これからも大地と大海原にしっかり根差した教育研究を続けてもらいたいと考えている。
(写真は、明治42年に建造された初代忍路丸の模型です)

以上