寮歌普及・継承事業について

恵迪基金【 寮歌普及・継承基金 】 について

1.恵迪寮寮歌
明治45年以来、109年もの間、連綿と歌い継がれている我らが寮歌「都ぞ弥生」は日本三大寮歌の一つに数えられる名寮歌であるが、恵迪寮の寮歌は明治40年、札幌農学校が帝国大学へ昇格し、予科が設けられ、寄宿舎が恵迪寮と命名された年から、明治、大正、昭和、平成、そして、令和と毎年1曲以上作詞作曲され続けて今日に至る。従って恵迪寮寮歌はその数、ゆうに100を超える。明治45年の「都ぞ弥生」は、6 番目の寮歌である。北海道の大自然を美しく歌い上げたこの歌は、恵迪寮生、北大同窓生のみならず、一般の人々にも歌い親しまれてきたが、各年の寮歌も時代を超えた後輩や先輩の琴線に触れ、今日に至るまで歌い継がれてきたものが多い。114年も継続して一つの学寮の歌が作り続けられているという事例はおそらく世界的にも類例を見ないであろう。まさに、恵迪寮寮歌は我らが誇れる文化遺産なのである。(正確には5回の空白欠番がある)

2.これまでの取り組み
恵迪寮寮歌は、寮歌普及委員会、応援団はもとより寮歌を愛する恵迪寮生、同窓生等により、日常的にあるいは各行事の際等、機会あるごとに高唱、放歌高吟されてきた。同窓会として寮歌普及継承には以下のような取り組みがある。
・毎年、日本各地で行われる恵迪寮同窓会・地区寮歌祭
・恵迪寮百年記念・寮歌CD 制作:「都ぞ弥生ほか」33曲2枚組 (2007)
・「都ぞ弥生」誕生百年記念祭( 2012)
・DVD 制作:「清き國ぞとあこがれぬ」( 2013)
・CD 制作:「都ぞ弥生・音楽の風景」( 2016)
・CD 制作:「百歌繚乱・音楽の風景Ⅱ」( 20 18)
・寮歌カレンダー2021 制作 (2020) など
さらに、恵迪寮同窓会の組織的活動に先んじ牽引する先達による取り組みがある。
・山口哲夫編「都ぞ弥生」(東京エルム会)
・外国語版「都ぞ弥生」中国語 須田正太郎 、独語 丹治道彦 他
・前島一淑、川原幸則らによるCD 制作、北大寮歌筑波コンサート (2018) な ど
以上、歌うことのみならず寮歌のもつ音楽性、自然、精神にも着目した多彩な表現・発信がある。

3.恵迪精神継承の媒体としての寮歌
恵迪寮寮歌は、寮生と各時代をとりまく自然環境・社会環境との交響的なかかわりや、先輩や後輩との濃密な寮生活を通して培われてきた歌である。寮歌が今日まで歌い継がれてきた基調には、変わらぬ恵迪精神、すなわちクラーク博士により教えられた Be Gentlemen, Be Ambitious に代表される札幌農学校精神 が 通底していよう。
すなわち、恵迪寮寮歌は、クラーク博士から札幌農学校、同寄宿舎、そして恵迪寮につな が る精神を連綿と継承してきた一つの媒体と解すること ができる。その伝統精神を絶やさないために、引き継 がれ、継承する様々な取り組みがあったし、今後も普及・継承していくことに意義 が ある。

4.基金への寄附依頼とこれからの取り組み提案の募集
このため、同窓会事業としての寮歌普及・継承については、文字通りの寮歌普及・継承のみならず、寮歌を通じたその精神の普及継承にかかわる発信までを含むこととしたい。 現在、恵迪寮同窓会として寮歌普及・継承にかかわる具体的事業(案)としては、
・毎年の地区寮歌祭への協力
・特に寮生に親しまれた寮歌の周年特別企画事業 (50周年、100周年など)。
(前例: 2012年「都ぞ弥生100年」記念事業) 企画案として は以下の如し:
①歌碑の整備清掃 (機運があれば新たな 建立)、
②周年記念特別展示(於、開拓の村旧寮舎、あるいは北大総合博物館)
③寮歌を主題とした講演会等
・ギネスブックへの登録、北海道文化遺産への登録
などが考えられるが、その他の取り組みについての提案をいただければ幸いである。

恵迪寮が継承してきた寮歌という文化遺産を絶やさないための諸事業を遂行するために設立された本基金に、皆様の絶大なるご協力、支援をお願いたします。

  2021 年 4 月

恵迪基金【寮歌普及・継承基金 】小委員会