現寮改修・整備事業について
恵迪基金【現寮改修・整備基金】への募金のお願い
現恵迪寮の鉄筋コンクリート 建物は1983年に落成し、学部学生男女、院生男子、留学生男子の居住する6棟、定員 580名の宿舎として、程なく38年が経過しようとしています。実は2014年、北大当局は恵迪寮自治会に大改修計画を示し、6年間1棟ずつの明け渡しと、寮生定員100名削減を突如言い渡し、 一週間以内の回答を求めました。こうした重大案件の寮生全体合意が一週間で出来るはずもなく、拒絶回答になり、大改修は頓挫しました。現恵迪寮31年目の出来事でした。
公開されている北大キャンパスマスタープラン2018では、施設整備計画の中で長寿命化を目指した改修周期を30年と60年に設定し、構造躯体耐用年数を90年までとする考えが示されています。しかし、2014年の頓挫以来、断熱改修、屋上防水、設備機器・配管更新 等の本格的な改修工事は、残念ながら未だ再起案されておりません 。
小規模な日常生活に支障のある修繕案件に対しては、大学も学生生活専門委員会や学生支援課を通じて把握し、適時予算措置を取り計画 を進めていますが、構造躯体の長寿命化を意図した大規模な改修には、相当規模の金額が必要とされます。文部科学省の昨今の動向から推察するに、留学生との共住、PFI 方式による民間委託宿舎ばかりが推奨され、このままでは既存の寮舎は放置され、やがて「廃屋化」という事態も懸念されます 。
恵迪寮の「廃屋化」は「廃寮」に繋がるものであり決して許してはならず、何としても大改修を実現せねばなりません。恵迪寮同窓会としては、当局が改修工事に着手することを強く促すため、2018年8月から、北大 フ ロンティア基金を活用して「恵迪寮大改修支援募金」活動を開始し、現在も募金を継続しています。
もとより、こうした募金によって大改修の資金をすべて 賄おうというものではありません。大学の教育福祉施設である学生宿舎の改修資金は、本来大学当局と文科省によって施設整備計画の中で全額予算措置が講ぜられるべきものであります。この募金活動は、同窓会 が現寮生と共に、大学当局へ大改修工事の早期着工を強く求める主体であることを示す運動でもあります。
従って今般、「恵迪基金」の発足に当たって、さらにこの運動のより一層の広がりを図るため、北大フロンティア基金と並行して、同窓会独自の【現寮改修・整備基金】を設けて、継続的な募金活動を展開することといたしました。これらの募金活動を背景にして、同窓会は現寮自治会と共に在寮生の意向をくんだ大改修の早期実施を大学当局に強く促してまいります。
札幌農学校寄宿舎としてスタートしてから1 世紀半、恵迪寮と命名されてから百十余年。伝統ある我が北大 恵迪寮を絶対に「廃寮」にさせるわけにはいきません。昨今、格差が拡大している社会の中にあって、「清き国ぞと憧れる」有為な人材に教育の場を提供する恵迪寮の役割はますます重要になってきています。
同窓生の皆さまを始め、広く恵迪寮の存続にご賛同いただける方々の、恵迪基金【現寮改修・整備基金】へのご支援ご協力を心からお願い申し上げます。